Netflixオリジナル作品は面白いものが多くてお気に入りなのですが、この『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』はその中でも飛びぬけて面白いです。ホラーが好きでたくさんのホラー映画を観ていますが、ここまで引き込まれる作品というのは今までありませんでした。今回はネタバレしないように注意しながら、この作品のあらすじや魅力をご紹介したいと思います。

ホラーなのか?ミステリーなのか?謎と恐怖がクセになる

予告編の時点でかなり怖いですよね…海外のホラーというと、スプラッターもの、ゾンビ、悪魔憑きなどが多いですが、『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』は幽霊や怪奇現象が描かれているので、日本のホラーに近いものがあります。

海外のホラーというと音や迫力、急に出てくる怖さでドキドキするものが多いのですが、このドラマがここまで高評価なのはそのストーリーの秀逸さにあります。

『ホーンティング』というだけあり、出だしから不穏な空気、子どもたちを襲う恐怖…これは完全に幽霊の話だ…と思いきや、当時の話と、子どもたちが大人になった現在が交互に描かれるうちに、彼らの記憶の曖昧さ、話の食い違いに謎が謎を呼びます。

 

もしかして、母親は自殺なのではなく父親に殺されたのでは?

事件のあの夜、いったい何が起きたのか?

なぜ父親は何も語ろうとしないのか?

 

たくさんの謎が頭に浮かんでは消えていきます。

巧妙に過去と現在が組み合わされていて、少しずつその謎が解けていくものの、最終話まで見ないことには全ての謎は解けません。このストーリーの緻密さが、ホラーでありながらハラハラするだけでなく、次が気になって引き込まれてしまう理由でしょう。

 

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『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』のあらすじ

クレイン家は夫ヒュー、妻オリビア、そしてスティーブン、シャーリー、テオ、ルーク、ネルの5人兄弟。彼らが住んでいたヒルハウスでは怪奇現象が相次ぎ、ある夜決定的な事件が起きてしまう。

父親に連れられるままヒルハウスから逃げる子どもたちだが、そこに母の姿は無かった。それぞれ大人になり自分たちの生活を送るが、彼らの心の中にはヒルハウスでの出来事が暗い影を落とす。

その中でも大きな影響を受けていたのが、一番下の双子ルークとネルだ。幽霊が見えると幼いころから主張するネルの話をスティーブンやシャーリーはまともに取り合わない。そんな兄弟姉妹の日常がある日を境に大きく変わる。兄弟姉妹、父親に電話で助けを求めたネルは、酷く取り乱しおびえていた。

5人の兄弟が抱える問題、過去の記憶を描きながら、次第にネルに起きたことの真相に迫っていく。

 

各エピソードタイトル一覧

  1. スティーブンが見る霊 60分
  2. 棺の中 51分
  3. 触れるだけで 53分
  4. 双子だから 53分
  5. 首折れ女 70分
  6. 嵐の二夜 57分
  7. 追悼 60分
  8. ウィットネスマーク 43分
  9. 錯乱状態 58分
  10. ひっそりと佇む静寂 71分

 

ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウスは全10話。それぞれのエピソードごとで長さが異なります。各エピソードの概要が知りたい方はNetflixにてチェックしてみてください(*^-^*)会員じゃなくても予告編とエピソード概要は閲覧できますよ👍

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登場人物をチェック

ザ・ホーンティング・オブ・ハウスは家族が7人もいるため、現在と過去を行き来すると、それぞれが誰か覚えるまではちょっと混乱することが…。あらかじめ、どんなキャラクターがいるのか、家族構成を知っておくと最初から物語に入っていきやすいですよ(*^-^*)

クラウン家の人々

ヒュー(パパ) 家を修復し売却して生計を立てている。

よき父親だったが、ヒルハウスでの事件をきっかけに子どもたちとは疎遠に。事件の夜のことを語ろうとしない。

オリビア(ママ) 事件の夜、なぜかヒルハウスに置き去りにされる。そのことが原因で、大人になった子どもたちは父親との間に確執をもつ。
スティーブン(長男) 幼いころから霊的なものに否定的だが、他の兄弟姉妹、父親の話をもとにヒルハウスでの出来事を小説にし成功を納める。

兄弟のことを気にしているようで、どこか他人事のような軽率なところがある。

シャーリー(長女) 夫婦で葬儀屋を営んでいる。家族の厄介ごとを兄に変わり対応することが多い。

第2話で彼女がヒルハウスで経験した恐怖、トラウマが描かれる。

テオ(次女) 同性愛者で、兄弟の中でもちょっと不思議な雰囲気を持つ。シャーリーが住む家の敷地内に居候している。

第3話で彼女が持つ能力、ヒルハウスで経験した恐怖が描かれる。

ルーク(双子・次男) 薬物依存症で施設への入退院を繰り返している。幼いころからネルと同じように怪奇現象に襲われやすく、心の傷が深く残っている。

第4話で彼が薬物依存に陥ったトラウマについて描かれる。

ネル(双子・三女) ヒルハウスにいる頃から首折れ女という幽霊の存在が彼女を苦しめる。

第5話で彼女が追い詰められていく過程が明らかになる。

 

ダドリー夫妻

Mr.ダドリー(夫) 昔からヒルハウスを管理しており、ヒューが家を修復する手伝いをしている。
Mrs.ダドリー(妻) 夫と一緒にヒルハウスに通い、荷物の整理や子どもたちの世話を手伝っている。

ヒルハウスに住む人々をお世話してきた経験から、家のこと、過去に住んでいた人のことに詳しい。

 

『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』秀逸な作品と言われる理由3つ

ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウスはNetflixオリジナルの中でもかなり高評価なドラマ。実際に観てみると、公開前から秀逸な作品だと言われている理由がよく分かります。今回は実際に観た私が感じた、この作品が秀逸だと言われる理由3つをご紹介します。

伏線だったと分かるのは伏線が回収されたとき

このドラマは巧妙に伏線が張られています。その辺の下手なミステリーよりも見ごたえがあると言えるでしょう。

でもその伏線は見ているものに「これは伏線だな」と感じさせるようなあからさまなものではありません。見ているときに「これってどういう意味??」とちょっとひっかかるものもありますが本当に些細なことなため、別のエピソードでその伏線が回収されたときになって、「こういうことだったのか!」と納得するのです。

しかも、この伏線の回収は次のエピソードのこともあれば、5話くらいかけてじっくりと謎解きをしていくものもあるので、物語に集中しているうちにいつの間にか忘れていたことが急にストンと腑に落ちる瞬間がやってくるのです。この爽快感は何とも言えません。

さらに言えば、伏線とも思えないような何気ないシーンが、実は伏線だったりして、「これも伏線だったの??」と驚くことも。この緻密さはドラマだからできることであって、映画では実現できない面白さです。

 

音で驚かすのではなく心理的に攻めてくる恐怖

冒頭のほうでもご紹介しましたが、このホラーは音で驚かすという種類の怖さではありません。確かに音と幽霊の登場で恐怖を誘う場面もありますが、その根底には家族の心に巣くう恐怖、トラウマが前提としてあります。ヒルハウスに住んでいたころの恐怖体験はもちろんなのですが、子どもたちが大人になってからの恐怖のほうがジワジワと効いてきます。

ホラーの中では恐怖シーンが少なめな部類ですが、ホラーシーンがない場面でも何か心の奥から恐怖心が湧き上がってくるような感覚に襲われます。

 

描いているのは幽霊の怖さではなく人の心のもろさ

これは先ほどの心理的にせめてくる恐怖とつながる部分があるのですが、幽霊の怖さというよりも人の心のもろさというのがメインテーマと言えるでしょう。

クラウン家の人々は、ヒルハウスから逃げ別の場所で暮らしているのに、そのころの恐怖にとらわれて生きています。恐怖から逃れるためにクスリに逃げる者、かたくなに真実を隠す者、現実に目を向けない者、人を責める者、間違いを犯す者…恐怖に抗うが故にどんどん彼らは泥沼にはまっていく。追い詰められていく。

 

この人の心のもろさは最終回でさらに深みを増し、スティーブンの語りは同じような言葉が最終話で2回繰り返されます。しかし最後の語りは切なくも温かく、クラウン家が長年抱えてきた闇を照らします。

最後のエピソードを見終わったら、ぜひエピソードの最初と最後でスティーブンの語りを比べてみてください。恐れと対比されるその存在こそが、クラウン家がトラウマと向き合い共に生きていく術でもあります。

そして、最後のエピソードのあとにもう一度、第一話の冒頭も見てみましょう。同じ言葉なのに、これほどまでに印象が違うのかと驚かされます。そして最後の一言の違いが、ストーリー全体を通して彼らにもたらした変化そのものなのです。


恐れとは論理の放棄だ理性的な考えを手放してしまう

それに屈するか あらがうか

どちらかしかない

 

しかし愛もまた同じだ

愛とは論理の放棄だ

理性的な考えを手放してしまう

それに屈するか あらがうか

どちらかしかない

 

愛なしでは

絶対的な現実世界で正気を保つのは難しい

ヒルハウスもまた

内に闇を抱え丘を背に立っている

この先100年もここに存在し続けるだろう

室内の壁はまっすぐに立ち

レンガに崩れはない

床は頑丈だ

閉じたドアに隙間はない

木材や石材に至るまで静寂が支配している

そこを歩くものはみな

共に歩くのだ

 

ホラーなのになぜか温かい気持ちになれる不思議な作品

ラストには賛否両論ありますが、私としてはこのエンディングはとても考えぬかれたものだと思います。時に、とても切なくて胸が苦しくなるような展開もありますが、ラストは恐怖しかなかったヒルハウスに温かさすら感じてしまいます。

住み始めたとき、ヒルハウスは家族が暮らす帰るべき家だった、事件の夜からヒルハウスは恐怖の象徴となった、そして最後には永遠の家に。

鑑賞一度目は緻密な伏線と恐怖が楽しめます。もう一度最初から見直すと、この物語の奥に隠されたもう一つの伏線、考えの深さに気づきます。もう一度見て新たな発見のあるホラー。これまで出会ったことがありません。

 

Netflixで『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』を観る

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